警察組織の豆知識情報

警察庁と各省庁との違い

警察組織は、警察庁(警察庁長官)をトップとするピラミッド型構造になっています。
各省庁は大臣をはじめ副大臣、政務官、事務次官等のポストが用意されていますが、警察庁には衆参両議員が就任できるポストはありません。
警察は国家公安委員会に服しています。
国家公安委員会は警察組織を管理する国家機関ですが、警察法上、警察機関ではなく、国家公安委員長である国務大臣が警察機関のトップではありません。
国家公安委員会の構成
国務大臣である委員長と5人の委員の計6人

合議制の行政委員会です。
この制度は、戦後新たに導入されたもので、 国民の良識を代表する者が警察を管理することにより、警察行政の民主的管理と政治的中立性の確保を図ろうとするものです。
警察庁の管轄
  • 都道府県警察における「身元不明死者情報」

  • 都道府県警察から「行方不明者に関する情報提供」
厚生労働省の管轄
  • 身元不明の「認知症高齢者の情報等」

  • 児童虐待等の「全国児童相談所情報」

  • 児童相談所「全国共通ダイヤル」
児童虐待の定義 【 児童虐待における4種類の分類 】
身体的虐待 殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる
首を絞める、縄などにより一室に拘束する 等
性的虐待 子どもへの性的行為、性的行為を見せる
性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にする 等
ネグレクト 家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する
重い病気になっても病院に連れて行かない 等
心理的虐待 言葉による脅し、無視、兄弟・姉妹間での差別的扱い
子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう 【 DV:ドメスティック・バイオレンス 】
兄弟・姉妹に虐待行為を行う 等
児童虐待の現状 【 平成26年度 】
児童相談所の児童虐待の相談対応件数:88,931件

児童虐待防止法施行前(平成11年度)の7.6倍に増加
虐待種別
身体的虐待 ネグレクト 性的虐待 心理的虐待 総数
26,181(29.4%) 22,455(25.2%) 1,520(1.7%) 38,775(43.6%) 88,931(100.0%)
虐待者別
実父 実父以外の父 実母 実母以外の母 その他 総数
30,646(34.5%) 5,573(6.3%) 46,624(52.4%) 674(0.8%) 5,414(6.1%) 88,931(100.0%)
虐待を受けた子どもの年齢構成別
0歳~3歳未満 3歳~学齢前 小学生 中学生 高校生等 総数
17,479(19.7%) 21,186(23.8%) 30,721(34.5%) 12,510(14.1%) 7,035(7.9%) 88,931(100.0%)

日本の行政官庁【 検察庁 】

検察庁と検察官
検察庁は、法務省の特別の機関として、検察官の検察事務と検察行政事務を行います。
法務省には法務省以外に特別の機関として検察庁があります。

最高検察庁【 最高裁判所 】は検事総長が長とし、次長検事が補佐をします。
検事総長は法務省事務次官よりも職位が上位になります。
検察官は、検事総長、次長検事、検事長、検事、副検事となります。
検察官は、いずれかの検察庁に属し、各地方検察庁には、検事正(検察官の職名)を各一人を置き、一級の検事を以て充てられています。
二人以上の検事又は検事及び副検事の属する各区検察庁には、上席検察官(職名)を各一人を置き、検事を以て充てられています。
検察庁の検察官の職位と種類
最高検察庁 高等検察庁 地方検察庁 区検察庁
最高裁判所 高等裁判所 地方裁判所
家庭裁判所
簡易裁判所
検事総長 検事総長
(検事総長秘書官)
次長検事 次長検事
検事長 検事長
検事正 検事正
次席検事 次席検事 次席検事
検事 検事 検事 検事 検事
副検事 副検事

出典:検察庁法(昭和二十二年四月十六日法律第六十一号)
出典:検察庁事務章程(平成28年3月31日法務省訓令第1号)
逮捕状の請求又は発付【 刑事訴訟法 】
検察官、検察事務官、又は警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある時は、 裁判官のあらかじめ発する逮捕状により逮捕する事ができます。

裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認める場合

検察官、又は警察職員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する、階級が【警部】以上の請求により逮捕状を発する事ができます。

犯罪人名簿の作成および管理

犯歴と管理体制
犯罪人名簿は、通常として各市区町村で管理されています。

日本においては、犯罪人名簿の作成、管理を各市区町村にて義務付けています。

各市区町村では「犯罪人名簿事務取扱規程」に基づいて、地方検察庁から送付される、「既決犯罪通知書」を基に犯罪人名簿を作成しています。
犯罪人名簿の対象外(非電算処理対象者)
  • 本邦に本籍がある明治以前の出生者及び本邦に本籍がない大正以前の出生者

  • 本籍が明らかでない者

  • 法人又は団体

  • 【 道交裁判 】 道路交通法、道路交通取締法、道路交通取締法施行令、道路交通取締令、又は自動車の保管場所の確保等に関する法律違反の罪に係る裁判で、罰金以下の刑に処し、又は刑を免除するもの
犯罪人名簿の取扱い
各市区町村は厳重な保管、管理、取扱いが行われています。

犯罪人名簿の記載内容は極めて重要であり、人権保護とプライバシーの観点から、閲覧できる市区町村の職員は限定されており、厳重な取扱いが徹底されています。
検察庁による犯歴管理
検察庁は、「犯歴事務規程(法務省)最終改正平成28年6月16日法務省刑総訓第7号」に基づいて管理されています。

各市区町村の犯罪人名簿の記載内容とは異なり、軽微な犯罪も記載、管理されています。

犯歴事務規程(第13条)により、検察官又は検察事務官が犯歴の照会回答ができます。
ただし、急速を要するときは、適宜な方法によることができます。

警察の組織図・体制情報

【 職務質問の役割 】
「職質」や「バンかけ」と称されます。

職務質問は「警察官職務執行法」2条1項の法律によって定められています。


警察官職務執行法2条1項
警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。

第2項
その場で前項の質問をすることが本人に対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる。

第3項
前二項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。

第4項
警察官は、刑事訴訟に関する法律により逮捕されている者については、その身体について凶器を所持しているかどうかを調べることができる。
職務質問における警察情報通信
警察には全国に整備された高度なシステムの、警察情報通信があります。

職務質問において身分証明書の確認をお願いする場合があります。

・ 運転免許証
・ パスポート(旅券)
・ 健康保険証
・ 住民基本台帳カード
・ マイナンバーカード 等

この身分証明書を携帯していない場合
「名前、住所、生年月日、等」を質問する場合があります。

この警察活動を支えるのが、警察情報通信になります。
警察の情報処理センターのデータ照会と回答により、本人の特定が可能となります。

警察情報通信は、警察庁、管区警察局、都道府県警察本部との全国的なネットワークにより、車載通信系による、各局との通信に役立っています。
【 地方警務官 】
都道府県警察に置かれる警察官の警視正以上の階級

警視総監・警視監・警視長・警視正の職位の事で一般職の国家公務員となります。
各都道府県に拝命されている国家公務員の幹部
【 地方公務員 】
都道府県警察の警視以下の階級である警察職員【 地方警察官 】

地方警務官以外の都道府県警察の職員は地方警察職員で地方公務員となります。
【 警察における監察官 】
警察庁、警視庁、各道府県警察本部に設置されています。

服務規定違反や警察内の不祥事捜査を行い、内部違反行為や内部犯罪の取締り監視・捜査・会計監査の業務に携わります。
地方機関である全国7ブロックの管区警察局監察課の監察官は、管内の道府県警察本部に出向く事があります。

最高幹部である、警察庁長官や警視総監の監察担当は【 国家公安委員会 】になります。
【 首席監察官 】
総責任者【 警察庁長官官房 首席監察官 】
階級【 警視監 】

首席監察官は、警察庁、管区警察局、都道府県警察においての監察に関する事務を掌理して指揮監督します。
【 平成27年度 地方警務官と地方公務員の定員 】
地方警務官の定員: 628名
地方公務員の定員: 257,953名
一般職員の定員: 28,347名
【 警察職員の定員 】
平成28年4月1日現在

警察庁の定員: 7,797人
都道府県警察の定員: 28万7,867人
警察職員の定員 【 総数 】: 29万5,664人
【 女性警察官数及び全警察官の割合 】
女性警察官 : 20,947人
全警察官割合 : 8.1%
階級が警部以上の女性警察官数 : 349人

平成27年度4月1日現在
警視庁組織図・体制情報【 出典:警視庁 】
警察官: 43,422人
一般職員: 2,907人
一般職非常勤職員: 3,120人
警察署: 102署
交番: 826か所
駐在所: 258か所
地域安全センター: 82か所
パトカー: 1,286台
白バイ: 960台
ヘリコプター: 14機
警備艇: 22隻
警察犬: 36頭
馬: 16頭
平成27年4月1日現在
皇宮警察本部の定員【 出典:警視庁 】
皇宮警視監・警視長 1人
皇宮警視長・警視正 3人
皇宮警視正・警視 54人
皇宮警部 121人
皇宮警部補 208人
皇宮巡査部長 269人
皇宮巡査 225人
計    881人

事務官、技官、職員 40人
合計 921人

【 SAT&SIT 】

SAT 【 Special Assault Team 】警備部に所属する特殊部隊
【 主要任務 】ハイジャック、武装部隊・工作員等によるテロ・ゲリラ対策
都道府県警察本部に所属で合計11個班、総員300名体制の編成になっています。
警察車両や航空隊ヘリコプター等で全国展開の体制が整えられています。

  • 警視庁【 所在 】3個班
    各種重要防護施設:東京国際空港(羽田空港)
    皇居、国会議事堂、内閣総理大臣官邸、外国大使館、中央省庁等
    【 所属 】警備部警備第一課

  • 大阪府警察【 所在 】2個班
    大阪国際空港(伊丹空港)、関西国際空港、外国総領事館
    【 所属 】警備部警備課

  • 北海道警察【 所在 】1個班
    新千歳空港、函館空港
    【 所属 】機動隊

  • 千葉県警察【 所在 】1個班
    成田国際空港
    【 所属 】第一機動隊

  • 神奈川県警察【 所在 】1個班
    在日米軍施設
    【 所属 】第一機動隊

  • 愛知県警察【 所在 】1個班
    中部国際空港
    【 所属 】機動隊

  • 福岡県警察【 所在 】1個班
    福岡空港、各国領事館、在日米軍施設
    【 所属 】第一機動隊

  • 沖縄県警察【 所在 】1個班
    那覇空港、米軍関連施設
    【 所属 】機動隊
SIT 【 Special Investigation Team 】
【 主要任務 】
人質・誘拐事件、恐喝・業務上過失事件、凶悪犯等の犯人逮捕
都道府県警察本部、各都道府県警察の刑事部捜査第一課に編成されている実行部隊

捜査部門【 特殊犯捜査係 】
射撃に関しては最後の手段とされ、可能な限り犯人逮捕を優先しています。
特殊犯捜査係は、人質・誘拐事件等において犯人との直接交渉を行っています。

【 都道府県コード一覧 】

管区 都道府県コード 識別コード 運転免許証コード【 1~2桁目 】
第 「123456789000」号
北海道本部 01 HK 10
函館 11
旭川 12
釧路 13
北見 14
青森県 02 AM 20
岩手県 03 IT 21
宮城県 04 MG 22
秋田県 05 AT 23
山形県 06 YM 24
福島県 07 FS 25
茨城県 08 IG 40
栃木県 09 TG 41
群馬県 10 GM 42
埼玉県 11 ST 43
千葉県 12 CB 44
東京都(警視庁) 13 TK 30
神奈川県 14 KN 45
新潟県 15 NG 46
富山県 16 TY 50
石川県 17 IK 51
福井県 18 FK 52
山梨県 19 YN 47
長野県 20 NN 48
岐阜県 21 GF 53
静岡県 22 SO 49
愛知県 23 AC 54
三重県 24 ME 55
滋賀県 25 SG 60
京都府 26 KT 61
大阪府 27 OS 62
兵庫県 28 HG 63
奈良県 29 NR 64
和歌山県 30 WK 65
鳥取県 31 TT 70
島根県 32 SN 71
岡山県 33 OY 72
広島県 34 HS 73
山口県 35 YG 74
徳島県 36 TO 80
香川県 37 KA 81
愛媛県 38 EH 82
高知県 39 KO 83
福岡県 40 FO 90
佐賀県 41 SA 91
長崎県 42 NS 92
熊本県 43 KM 93
大分県 44 OT 94
宮崎県 45 MZ 95
鹿児島県 46 KG 96
沖縄県 47 ON 97